忍びとしての心構え
・戦乱の世が治まり世の中が平穏になった17世紀以降は忍者の任務は実際の戦闘からは遠ざかりました。
忍びという機能に付随する精神性が忍術書として成立し始めました。
その中で最も大部でさまざまな忍術書を集積したのが「万川集海」である。
・「万川集海」の中に忍びの心構えについて詳しく記されている。 「正心」
忍びの本は「正心」である。忍びの末は陰謀やだますことである。それゆえに心が正しくコントロールできない時は、臨機応変の計略を遂行する ことが出来ないのである。
孔子曰く、その本が乱れていて末が治まることはない。
いわゆる正心とは仁義忠信を守ることにある。
仁義忠信を守らなければ強く勇猛なことをなすことができないばかりか、変に応じて計略をめぐらす事も出来ないのである。
心がここになければ見ても視ることが出来ず、聞いても聴くことが出来ず、食べてもその味を知ることが出来ない。
こことは仁義忠信を指して言うの である。
・忍びにとって最も重要なのが「正心」という心の在り方であり、それが無ければ盗賊と同じであるとされていた。 私欲の為に忍術を使ってはならないのである。