忍者の正心
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忍びが使う技術には盗みや放火があり
いくら戦乱の世であってもその技術を無闇に使ってしまえば
忍びは単なる悪人になってしまいます。
風魔の忍びはその禁を破り盗賊へと身を落とし
最後は捕まり処刑され滅びていったと伝わります。
そこで忍者は「正心」というものを大事にしています。
正心とは儒学の経典大学の中に出てくる言葉で
忍術書「万川集海」冒頭で忍びの心得として説かれています。
本来の目的を忘れて技術を悪用することは正心に反することであり
悪行によって己の身を滅さない為の忍びの教えです。
また、忍者が心に正しさを求める理由の一つに
相手や味方から信用を得るということがあります。
一国の命運をかけた任務を負う忍びにとって信用が第一です。
信用が無ければ誰もその忍びを雇おうとは思わないでしょう。
内外に信頼されることが、
忍者が乱世を生き抜いた秘訣なのだと私は思います。