鬼の霍乱水渇丸
鬼の霍乱といえば普段健康な人が病気にかかってしまうことですが、
その『霍乱(カクラン)』というのは今でいう熱中症のことで
他には中暑や暍病(エツビョウ)などと呼ばれていました。
昔の日本、特に室町時代以降は寒冷傾向で熱中症も少なかったそうですが、
夏場の水分補給ができない環境では発汗により水分と電解質(塩分)が徐々に失われるので、
相応の脱水症、熱中症リスクがあったのではないかと思います。
忍術書にある「水渇丸」という丸薬は
梅干し、氷砂糖、麦門冬を配合し、
主に喉の渇きを和らげる効果があるそうですが、
大量発汗で体内の塩分が失われ脱水症状を起こしてしまった時には
水を飲むだけでは回復するどころか水中毒の危険性もあるので、
そこで水分補給と共に水渇丸を食せば、失われた電解質が補給され、
また糖は水や塩の吸収を良くする効果がある為、
体調を整える効果は非常に大きかったと思われます。
鬼のように元気でも油断は禁物
適切な体調管理こそ忍者の心得ではないでしょうか。